【音読は大事です】A&Jの音読クラスに潜入してみた

A&J音読クラスについて

こんにちは!A&JアシスタントマネージャーのNaruです。先週のバギオは台風の到来で1週間ほど雨が続いていました。その間は屋外でアクティビティなどはできないので、週末はマッサージやカフェに行ったり、アカデミーで映画を見たりして過ごしました。今週になって天気も少し回復し、晴れ間が見えた時のオフィスでの盛り上がりにはびっくりしました、笑。こんな天気の時には勉強に限ります!

最近、巷ではA&Jの音読クラスが話題になりつつあるみたいです。そこで今回はA&Jで無料で行なわれている日本人学生向け音読クラスについてご紹介します。

A&J音読クラスとは?

音読クラスの様子

毎週月曜日から木曜日、20:30〜22:30頃までで、日本人向けに行われる特別クラスです。日本人ゼネラルマネージャーのJosephさんが講師を担当しています。参加は自由で、その日の自分のスケジュールや体調を見て自身で決められます。もちろん無料です。

どんなことを勉強するの?

音読クラスでは何をするの?

主にダイアログやショートアーティクルの音読を行います。

①まず、音声ファイルのみを何度か聞いて内容をつかみます。

②その後、スクリプトを見て、日本語訳と照らし合わせて、新しい単語の意味や言い回しを習います。

③次に単語の発音や単語と単語が繋がったり、音が飛んだり、脱落したりする箇所を確認します。

④その後は音声ファイルに続いてみんなでリピーティングを5回

⑤各自別の教室に入ってひとりで音読15回(その際Josephさんが個別に発音やイントネーション、表現などについてのアドバイスをしてくれます。これが結構厳しい…)

⑥その後グループに戻って音声ファイルに続いてリピーティングを5回行います。後半のリピーティングでは、なるべくスクリプトを見ずに、耳から入ってきた音をそのまま再現できるように努めます。

音読をするときのポイント

音読をするとき意識すること

Josephさんのクラスには“音読8カ条+α”があり、これらの意味を学生が理解して取り組んでいるのが特長です。

ひとつ! 水を飲む

ひとつ! 前を向いて

ひとつ! 背筋を伸ばして

ひとつ! 腹式呼吸

ひとつ! 大きな声で

ひとつ! アヒル口

ひとつ! リラックス

ひとつ! 感情を込めて

+α       絶対に暗記しようとしない

音読クラス活用法

音読個別指導

わたしも学生のひとりとして感じた、日本人クラスを受けているとためになる理由をお教えします。

新しい単語や表現が無理をせずとも記憶に残る

音読の題材は主にネイティブスピーカーの会話なので、日常的に使える会話表現や単語などが度々登場します。授業中にたくさん音読をするので、続けていくと覚えるつもりはなくても覚えてしまい、日常生活でも自然に使っていることがあります。

英語を口にすることに抵抗がなくなる

留学当初は“英語を話す自分”というのに慣れておらず、英語で話すことに恥ずかしさを覚えていました。しかし、学習をつづけることで“当たり前のことをしているだけ”という感覚に変わってきます。初めは“自分で英文法を組み立てて話す”ということが難しいので、先に音読で英語を発することに慣れておくというのは、自由自在にスピーキングできるようになるためにも役立ちます。

日本人が苦手な発音やイントネーションを改善、矯正できる

日本人の苦手な“LとR”、“th”、“z”や“she”と”see”の違いなどの発音、平坦になりがちなイントネーション(ストレスポイント)、うすーい感情表現などを矯正してくれます。英会話も最初はモノマネから始まるのです。Josephさんが他の先生と違うところは、そこがずば抜けているところだと思います。「さすが元俳優だな!」と思わせる演技指導が入ります。

自信がつく

英語を話せる自分に気がつくとちょっとだけ自信がついてきます。自信がつくとどんどんしゃべれます。海外で住んでみて気づいたことのひとつなのですが、日本人は自信がない人が多いです。自分からあまり話しかけない、声が小さい、気を使いすぎて自分の意見を押し殺してしまう。男女問わず自信を持っている人は魅力的です。スピーキングの機会を増やして上達させるためにも自信を持つことは有効です。

他の学生と交流できる

このクラスは日本語で行われる唯一のクラスで、雑談も交えつつ和やかな雰囲気ですすめられます。韓国人割合の多いアカデミーですが、日本人同士での情報交換や、英語学習に疲れた時のリラックスや相談などの手助けになっています。

講師のジョセフに気になることを訊いてみた

A&J音読クラス講師 ジョセフ

英語に必要なのは勉強ではなく、練習

Q. 音読は英語学習にどう効果がありますか?

ジョセフ:英語は机の上で完結する学問ではなく、コミュニケーションを成り立たせるひとつの「ツール」です。音読は黙読ではなく、自分の声に言語を乗せるという単純な作業ですが、その過程において、単語・文法の理解に始まり、発音、発声法、音と音のつながりを掴み、繰り返し練習することを通じ、英語にある根幹を体得することが可能です。

われわれ日本人が日本語の英文法・単語を幼いころに学習せずとも、今こうして日常差しさわり無く日本語を話せているのは、家族や友人との会話をし、テレビなどを見聞きしているからであり、努力をせずに身に着いた能力です。対して、われわれが学ぼうとする英語は、日本語に支えられた別の言語であり、またスピーキングを伸ばしたいのであれば、話すことを意識したそれなりの量の練習をしなければなりません。そこに不可欠なのが音読です。

頭の中に浮かんでいる英文が、口を通して音になり、他人に受け止められます。文字が見えない場合の言語コミュニケーションは音で成り立っており、音を作るのは口と喉です。この口と喉で頭の中の英文を音にしてあげられるように訓練する音読で、発音を矯正し、自信を持って、誰にでも伝わる英語を話せるようになります。

A&Jの音読クラスはただ黙々と音読するだけではありません。ディクテーションを使ってリスニング力の強化、様々な音読手法(リピーティング、シャドーイング、オーバーラッピング)を駆使し、耳から入った英語をオウム返しにできる能力を習得できます。このプロセスを通じ、一度聞いた英文を頭の中でもう一度再生することができれば、リスニング力向上に繋がります。

実生活により近い教材

Q. どんなものを教材として使っていますか?

ジョセフ:ダイアログという対話式、かつ日常生活に使えるトピックを積極的に教材として採用しています。一般に音読で使われる題材はモノローグという登場人物がおらず、1人で何かを説明したり、物語を読んだりすることになりがちです。しかしこれでは単調になってしまう上に、英語でのコミュニケーションが上達しません。より日常に即した、喜び・怒り・悲しみに・驚きと言った感情を表現できるようになってほしいので、対話という場面を設定しているもので音読をします。

英語は真似て体得する

Q. 音読クラスを通して学生に期待することはなんですか?

ジョセフ:「アメリカ人はオーバーリアクションだ」と揶揄することがある日本人ですが、英語を使う場面では日本人は感情表現が苦手ということになります。be動詞を持つ英語は、感情を語る言語とも言えます。気持ちの無いまま、ただ文字の表面をなぞるような言い方では感情は受け取ってもらえません。ローコンテキスト文化に基づく英語は「話し手」に責任があり、ハイコンテキストに支えられた日本語は「聞き手」が主導権を握ります。これらから、英語は話し手が気持ちを込めて話さない限り相手には伝わりません。英語は全然できず、何を言っているかわからないけど、不思議とコミュニケーションが成り立つ人が周りにいませんか?その方は大方、この感情表現がとても上手く、しいては伝えようとする気持ちが人並み以上にある方です。なので、カッコいい表現を学ぼうとするよりもまず先に、感情の表現の仕方を学ぶ方が手っ取り早いです。そしてここで大切なのは学ぶことではなく、「真似ぶ」ことです。ネイティブがしているように、真似てみる。表情、手振り、身振り、声量、声のトーンなど、複数の要素を使ってコミュニケーションを取っています。「上手な人のマネをすることが上達の最短距離」と言いますが、英語に関してもこれは当てはまります。

長くなりましたが、期待していることは自分をさらけ出し、英語という別言語を真似ぶということを体得するです。

英語を話す、別の自分を見つけてほしい

Q. 授業中に気を付けていることはなんですか?

ジョセフ:音読は同じ題材を使って一定回数繰り返しやることで効果が上がります。なので、手法を変えながらやっていているものの、何週間にもわたってやっていると飽きてきます。同じ景色を見ながらのジョギングが飽きてくるように、音読も次第に辛いものになってきます。なので、授業中はとにかく楽しい雰囲気を心がけています。部活的な感じです。題材から少し外れた、別のトピックに関して話をしたり、私の経験談、過去の学生の様子、勉強法、バギオの話など、参加している学生が『参加して良かった』と毎回思ってもらえるようにしています。余談が長くて授業時間が長くなってしまうこともありますので、そこも個人的に気を付けていることではありますが(笑)。

バギオに来る学生はみなさん個性的ですが、それでもみんな個を出すことを、感情を出すことを抑えている方が多く、そういう意味でも音読クラスでキャラクターを発掘できるようにしています。日本にいたら日本でのキャラクターがあるでしょうけど、留学に来ている間はイングリッシュネームも持っていることもありますし、英語を話す別の自分を見つけ出してほしいですね。そうすれば、英語を話すことに対して、間違った英語を話してしまうんじゃないかという恐れに対して、抵抗力がつき、自信を持って英語と共にある人生を歩むことができます。

「可愛い子には旅をさせよ」

Q. とても厳しい指導をすることもあると聞いていますが、本当ですか?

ジョセフ:学生は私にとって大切なお客様です。しかし音読クラス内では決して甘やかしません。厳しい言葉をガンガンかけていきます。そうしないと間違った音のまま音読をしてしまって、変な癖がついてしまいます。「可愛い子には旅をさせよ」です。限られた時間で最大の成長をして欲しいと願っています。

誰でも、やれば必ず効果の出る音読

Q. 音読クラスのおすすめポイントを教えてください。

ジョセフ:A&Jは良い意味でも、逆の意味でも、自由な校風です。音読クラスも同様です。誰にも強制していません。初心者の方にはお勧めしていますが、ある程度自分でやり方がわかったら、自分でもできてしまうものです。途中から参加されなくなる学生もいれば、入学から卒業までの24週間、ずっと参加されていた学生もいました。皆さん人それぞれですので、一度出て頂いて、参加が難しくなったり、飽きた段階で抜けてもらうのは全く問題ありませんし、他にやるべきことがあるのであれば、それに注力するほうがいいかもしれません。ただ、何となくフェードアウトしていくのは残念だなと思います。音読は1日で効果が即表れるものではありませんが、継続してやれば必ず効果がでるものです。すごくわかりやすい。頑張った分だけ力がつきます。なぜなら音読は勉強ではなくスポーツに最も近いものだからです。教本だけ読んでイメトレしかせず、練習しないでいると上達しないスポーツと同じです。なので、留学の効果を感じたいのであれば音読は必須だと考えています。やると決めたなら是非最後まで参加して欲しいなと思います。わたしもその覚悟に応えられるように授業を作っています。日本人だけのために、日本人が作って、日本人がやるクラスです。

スーパーマンになりたい

Q. 最後になりますが、なんでJosephというイングリッシュネームなんですか?

ジョセフ:元々は当時好きだったマンガ「ジョジョの奇妙な冒険」の第二部の主人公、ジョセフ・ジョースターから頂きました。別に憧れとかあったわけじゃなく、なんとなくです。

ただ、私はいつの頃からかスーパーマンになりたいと思うようになりました、映画に出てくるあのクリプトン星人そのものではなく、【スーパーな旦那、スーパーな親父】って意味です。で、その誰もが知るスーパーマンの本名が実はクラーク・ジョセフ・ケントということを去年あたりに知りまして、なんとまあ面白い世界だなと。というわけで、そこから僕のイングリッシュネームの由来は、スーパーマンになりました。

受講生の感想

音読クラス受講生の感想

学生A:日本人同士でたくさんの情報を共有できます。日本人の苦手な発音などを一人一人に丁寧に教えてくれるのでとてもありがたいです。自分の弱点や癖を発見できます。ジョセフさんはおもしろく、和やかで楽しいクラスです。

学生B:個性豊かな日本人のマネージャーさん、生徒のみんなのおかげで、いつも笑いが絶えません。正直、A&Jに来る前は日本人クラス出席しなくても良いかなと考えていました。しかし、今ではジョセフさんの授業はルーティーンのひとつになっていて毎回欠かさず出席しています。苦手な音読ですが、続けていると毎日の授業の本読みでも先生に指摘される回数が減ってきたように思います。こちらに来て間もない頃に自分が音読したものを録音したので、帰る頃にどのように成長しているか聞いてみるのが楽しみです。

まとめ

A&Jの音読クラスで待ってます

やるかやらないかは自分次第だけど、やるといいことがいっぱい!

学生の感想やジョセフさんの回答からも授業の雰囲気や情熱が伝わってくるかと思います。授業は個人のレベルに関係無く誰でも参加できる内容になっており、また日本語で自由に質問もできるため絶大な安心感があります。

ジョセフさんだけでなく他の講師もそうですが、全ての学生に対して満足のゆく勉強のできる環境を用意しています。わたしも留学してから初めて勉強の楽しさに気づいた人間のひとりです。人からやらされる勉強にはなんの意味もありません。しかし、その学習の目的やその中での気づき、またそれが自分のためになる理由を知っていると勉強が一段と楽しくなります!やるかやらないかは自分次第です。しかしやる気にさせるのもまた自分です。ぜひぜひ授業を通して、ひとりひとり自分なりの学習の理由を見つけていただけたらいいなと思いました。