みなさん、こんにちは。Josephです。今日は英語学習をしている皆様にとってとても大切なテーマを取り上げてみました。
このブログを読んでくれている方の中には今実際に英語を勉強している、留学しているという方がいるかと思います。英語を勉強をしている時に起こる、特に留学中に起こる、
- 「あれ?なんで?なんか怖い。英語を話すのが怖い。」
- 「知っているのに、わかっているはずなのに、言いたいことが出てこない。」
- 「こんなに勉強しているの、なんで自分はこんな簡単なこともできないんだろう。」
- 「もう英語の勉強なんてやめてしまいたい。」
このような感覚、身に覚えはありませんか?もしくは今そういう状態ではないでしょうか?これはいわゆるスランプというものです。フィリピンに留学に来て、初心者の方であれば、気合十分にすごく真面目に勉強し、2~3ヶ月経ったあたりの方に多く見受けられます。
今回は、多くの英語学習者を苦しめるこのスランプに陥る理由とそのスランプへの3つの対処法をご紹介したいと思います。
関連記事:【英語学習を諦めるにはまだ早い】留学で挫折しないための心得とは?
スランプ対処法その1 なぜスランプになるのかを理解する
まずスランプとは一体なんのでしょうか?辞書的に言えば、
不調。心理的,身体的または情緒的に複合した形で原因のつかみにくい一種の混乱状態。このため,たとえばスポーツ選手などが一時的に調子が落ち,本来自分がもっている実力を発揮できないことがある。
(出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)
とあります。そうなんです。一般的にはスポーツの世界でよくよく使われ、耳にする言葉です。
スポーツの世界に多いスランプがなぜ英語学習者にも起こるのか?
英語は学問であると思っている方が多いと思います。確かに英語そのものは言語であり、英語そのものを極めるのであればそれは学問です。ですが、一般の方の英語学習における最大の目的は「コミュニケーションツールとしての英語スキルの習得」です。そのことから、英語学習はスキルの習得であり、それはまさにスポーツと同じです。そう、英語学習はスポーツです。完璧な英語、文法的に間違いの無い、一切の隙を許さない英語を習得しようとするのが、日本人(もちろん僕も特にこの部類に入ります)の良くないところです。こうなるとまさに学問的です。
しかし、現実に欲しいスキルというのは
①よく使うフレーズを、単語を入れ替えて、流暢に、誰にでも伝わる発音で話すスキル
②1人で海外で生きていけるように、知っている単語を増やして、一般的なアクセントを聞き取るスキル
③古典や小説までとは言わなくても、新聞やペーパーバックをそれなりに楽しめる読解スキル
④日記や丁寧な手紙、履歴書が書ける作文スキル
この4つに絞られると思いますし、実際、国際的な英語能力を判定する試験でも4技能で上記のレベルがあれば十分ハイスコアが取れてしまいます。日本人はどうしても、机に座っていることが勉強と思ってしまいがちですが、実際机の上でするのは、文法の勉強が終わってしまったら、作文の時間くらいです。したがって上記①~③に関していえば、どこでだって英語学習が可能です。
言語習得はスポーツ
「知っている」と「使える」の間には、それはもう大きな差がありますので、その差を埋めてくれるのは「練習する」ことのみです。スポーツの世界では、ルールの理解から始まり、正しいフォームを学び、あとは繰り返し身体に馴染むまでひたすら練習し、自分のものにしていくのみです。英語はスポーツなので、文法・単語・文化(ルール)の理解から始まり、発音方法・パターン・フレーズを学び、あとは繰り返し口から瞬間的に言いたいことがでるまで、言われたことがちゃんと理解できるまで、読んだ内容が理解できるまで、表現したいことが書けるまで、口、耳、目、手を動かして、やるしかありません。
日本の英語教育に足りないもの
余談ですが、日本の英語学習過程に圧倒的に足りていないのは口と手を動かすことです。小学校の国語の授業であんなにも音読をしたのに、なぜ英語の授業では音読があんなにも軽視され実践されないのでしょうか?中学校の国語の授業であんなにも作文をかかせるのに、なぜ英語の授業ではこれっぽちも英作文がないのでしょうか?日本の英語教育が良い方向に向いてくれることを祈ります。
スランプ対処法その1
【英語学習がスポーツであること、スポーツであるからこそ、英語学習者は誰でもスランプに陥ることをしっかり理解する】
関連記事:【英語ができない人は日本語も苦手?】英語上達の近道!論理的思考と英語脳の関係について調べてみた
スランプ対処法その2 英語を“勉強”することをやめる
話は続きますが、
ではなぜ英語学習者がスランプに陥ってしまうのでしょうか?
ブライアントハーターという心理学者は
「1つの技術を習得するには、意識とは無関係に、進歩が止まる ”踊り場”がある」
ということを突き止めました。技術は直線的に向上するのではなく、 ある段階に達するといわゆるスランプに陥ります。この現象の出現する原因として
- 課題に対する動機づけ(やる気)の低下
- 適切な学習方法の獲得の失敗
- 大きな練習単位への移行の困難さ
などが指摘されています。「スランプはどんなに才能がある人でも、避けて通ることができない道であって、そこさえ通り抜けることができれば技術はまた進歩する」というのが彼の説です。
右肩上がりにまっすぐ伸びない
上記は学習時間と習得スキルがどのように推移するかを示したものです。赤線は理想です。時間をかければスキルは右肩上がりに順調に伸びていくと、思われています。しかし現実は青線のように、一定時間全く伸びることのない時間を経ながら、階段を一段一段登っていくように上達していくのです。
期待は高揚感という名の前借り
英語学習者はこの理想と現実のギャップにやられてしまうんです。
「こんなに頑張ってるのに、なんで・・・」
「こんなはずじゃ・・・」
理想というのは理想であり、現実に叶うかわからない大きな期待です。「期待は自分ならできるかもしれないという高揚感の前借り」であり、できなかった、できないという現実にぶつかった時、できない自分に失望してしまったりするわけです。そんな時に、スランプになってしまうんです。
期待する自分に打ち勝つ
では、そこでそうなってしまった場合、まず自分に問いかけてみて下さい。
「その理想や期待は一体誰が与えたものでしょうか?」
自分自信で作り上げたものですか?英語に関する記事ですか?友人知人の成功体験ですか?代理店さんのカウンセリングによってですか?その元は様々ですが、人間にはそれぞれ向き不向き、得手不得手があるので、みんながみんな同じようなことを、同じ時間で、同じ量こなせばいいというものではありません。自分には自分にあった方法、時間数、量があるということを忘れないでください。「これだけのことをやったんだから自分はできるようになる」という期待をしている自分を常に意識し、「あ、今自分期待してる。だめだ、期待するな自分。」と自分に言い聞かせて、期待を振り払って下さい。
思い切って勉強はしない
では肝心の自分に期待しないためにする具体的なことですが、英語の勉強をやめましょう。正確には
「英語を英語として勉強することをやめる」
ということです。英語を英語として勉強すると、頑張らなきゃいけないという脅迫観念みたいなものが頭の中に自動発生します。ですので、英語に触れることは継続しながら、勉強そのものはやめる。
勉強ではなく英語に触れ続ける方法
アメリカンドラマや映画を見まくる
これはスピーキング・リスニングに訊きます。こんな言い回し使ってみたいというモチベーション向上効果もありますし、自分がこうなりたい、こういう風に喋りたいという、いつでもマネできる(動画なので)お気に入りの自分の未来像を設定することができます。字幕無しで、ストーリーを理解したいという気持ちから真剣に話を聞きますので、英語耳も育ちます。
関連記事:【動画で勉強】英語学習に最適なYouTubeチャンネル10選
お酒を飲んで酔っぱらう
一部の方限定になってしまいますが、即効性の最も高い方法です。これは凄いです。スピーキングにのみ効果を発揮しますが、アルコールはスランプの応急処置的役割を果たします。酔っぱらうと英語をしゃべるときに気にしてしまいがちな文法・単語などが、一切がっさい飛んで行ってくれるので、自分が想像してる3~5倍は喋れるようになります。まさに覚醒状態です。そこで「あ、自分って実はこんなに喋れるんだ。喋れるって楽しい!」となると、翌日からまた頑張れます。普段は自信が無いだけという場合もありますので、それを取っ払う素晴らしい良薬です。
関連記事:【好印象は作れる!】初対面での英会話を成功させるコツ~役立つ簡単英語フレーズ付~
スランプ対処法その2
【英語を勉強するという視点を排除し、英語に触れ続けるという視点に切り替える】
スランプ対処法その3 宿題を断る(目標設定を見直す)
「あ、今自分期待してる。だめだ、ただ今日やるべきことをやろう。」と自分に言い聞かせて、英語に触れ続けるという作業のみに集中していると、いつの間にか予期せぬとも、自分でいつの間にかスランプの暗黒期を突破していますし、できなかったことが当たり前のようにできるようになって、自分のものになっています。
ただ予防線を張る意味で、スランプのぶり返しを防ぐ意味でも、目標設定の見直しをする必要があります。自分がいくらスランプ脱出に頑張っていても、留学先の学校などは勉強させようと大量の課題を与えてくることがあります。それらをまず断ってください。イニシアティブを自分に置くことが必要です。やる気のないままやる課題は勉強ではありません。怠惰になれとは言っていません。ただ自分自身に必要なもの、必要なレベル、必要な分だけをしっかりこなしてください。
他人(学校)のペースでなく、自分のペースで
繰り返しですが英語はスポーツです。基礎がしっかりできて、応用にすすめます。基礎の不安定なまま、時間の経過とともに授業・課題のレベルが自動的に上がっていくようなのは、免許取りたてで、すぐに台風の中の高速道路を走ったり、霧の深いいろは坂を下るようなもので、大変危険です。授業・課題が自分に見合っているかどうかを自分自身で判断するのはとても難しいので、まず宿題を断り、その課題をやるべきだった時間の中で、改めて手の届く範囲の目標設定をし、基礎を確実にできるようにする。そもそも宿題は1人でやるものが多く、どうしても机に向かってしまう時間が多くなります。
英語学習は自分との闘い
もう一度言います。英語学習はスポーツです。スポーツのように練習する時間を作ってください。今までやったことの復習をする時間を作ってください。声に出して音読してください。誰か見つけてたくさん話してください。課題のためだった時間をもっと自分のために、自分がやりたいことのために使ってください。やらされるのではなく、自らの意志で。スポーツですが、競争はありません。他人と比べるものではありません。自分との戦いです。
関連記事:【ワーホリ経験者が語る】2カ国留学をオススメする3つの理由
また余談ですが、学校のルールで一定量の課題提出やオプションクラス出席が必須という学校はちょっと危険です。スランプ脱出の余裕の無いスケジュールは学習効率と効果を下げてしまいます。学校選びは慎重に、です。
関連記事:【3校でフィリピン留学】経験者が教える学校選びのコツ
スランプ対処法その3
【英語でのコミュニケーションスキルは誰でもない、あなただけのものです。他人からの期待や無理矢理な目標設定は振り払い、自分を見つめなおす時間を持ち、なぜ自分が英語を欲しているのかを再確認し、なりたい自分像に向かって進む】
スランプと仲良くしよう
最後に期待を削ぐことを言いますが、スランプは一回だけでは終わりません。何度も来ます。しかし、上記の対処法3つを知っていれば、スランプは「ひゃっくり(しゃっくり)」みたいなもんです。たまに起こって、「うわ、めんどくさっ」で気付いたら治まっている、という感覚です。それでもスランプの後に待っているのは一皮むけた自分です。ちゃんと成長してるので、安心してください。
まとめ
いかがでしたか?以上が英語学習者を苦しめるこのスランプへの3つの対処法です。
- なぜスランプになるのかを理解する
- 英語を勉強することをやめる
- 宿題を断る(目標設定を見直す)
あたながスランプで苦しんでいなくても、あなたの周りに「あれ、あいつ最近あんまり元気ないな?」「あの子、口数減った気がする」みたいな方がいたら、是非この記事をシェアしてあげてください。1人でも多くの英語学習者にスランプとの向き合い方を知ってもらえますように。